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2011.07.14 (Thu)

古代史韓国ドラマ

梅雨明け宣言が早すぎたのではないか。
蒸し風呂のような日が続いている。

ここ10日ばかりで長編韓国ドラマをじっくりと味わった。

善徳女王、全31巻、62話を8日間で。
我ながら何という集中力だ、と感心している。

もちろん、仕事も、家事も孫を見るのも交際も程よくしながら・・。
いつ見たのかって・・、眠る時間が減っているに決まっている。

それほど夢中にさせる内容だったということだ。

時代は西暦630年から30年間くらい。
日本でいえば大化の改新の前後というところ。

韓国南端にあった伽耶国が新羅によって滅ぼされて80年。
新羅は開国以来500年。

その伽耶を併合した新羅の第27代国王になった
善徳女王の数奇な運命を描いた物語。

7世紀のはじめ、新羅の王妃が双子の女の子を産む。

ところが古い言い伝えで王家に双子が生まれれば
聖骨の男子が絶えるというのがあったために王は臣下に知らせず
双子の一人を侍女に託して逃がす。

王の権力を狙う美貌の女性政治家、ミシル宮主〈王の印を扱う高官〉は双子の証拠をつかんで
王を退位させようと企む。宮主はクンジュと読む。

宮中で美しく気位高く成長した姉王女と
人知れず砂漠の交易地にのがれ様々な国々の商人たちの中で
逞しくそだった妹トンマン。

文武に秀で見た目も美しい貴族の息子たちを集めた軍隊。
花郎〈ファラン〉という制度。

化粧をする美貌の兵というのが死を覚悟した姿であるのは
このドラマで初めて知った。

武官も貴族院も身分が実に厳しく決められており
それは王の力を絶対のものにするものなのだが、

どこの国でも、いつの時代でも、貴族や大商人たちの
既得権を持つ者たちの結束は固く、王権を揺るがすのだ。

砂漠で育ったトンマンは追手に追われる途中で母親とはぐれる。
砂嵐に巻き込まれ一人ぽっちになった彼女は

父親の出身は鶏林だと聞いていたので新羅に向かう。
様々な出会いを経て自分が捨てられた王女であることをしる。

双子が生まれたことを知られたくない王室高官は刺客を放つ。

対抗する勢力は捕らえようとする。
姉王女は何としても助けようとする。

田舎貴族でありながら勇気と努力を認められて花郎に
採用された伽耶王族出身のユシン。

女性であること、王女であることを隠して男装で
ユシンの部下でいるトンマン。
もともと持った勇気や才能が鍛えられてゆく。

女性であることに気づいたユシンは健気で逆境にたえるトンマンを深く愛する。
妹の身代わりで殺される姉王女。

姉王女は、新羅の国を出てユシンとともに女らしい幸せを得てほしいと遺言するが
トンマンは「自分は王になる」と宣言する。

陰謀渦巻く王家と政敵に対し、敢然と挑むトンマン。

そして、政敵が用いていた天文学を逆利用して、皆に王j女の身分を認めさせる。

ユシンは恋心を深く呑み込んでトンマン王女の部下として生きることを選ぶ。

伽耶人の代表であるユシンの活躍を疎んじる貴族たち。
ユシンを女王と結婚させて王にならせて権力を得ようとする人々。

伽耶人を楯にユシンを得たい宮主一派。

ユシンは女王を守るため、また伽耶人を守るため、苦しみつつ、政敵の一族の娘と結婚する。
女王は自ら選んだ道とは言え孤独感に涙する。

最大の政敵である宮主と手に汗を握る戦いを何度も繰り返しながら
ついに打ち勝つ。

トンマンは新羅史上初めての女王になる。

そして自らを奮い立たせて代々の王たちの果たせぬ夢であった
三韓一統を計画する。

ユシンもその道こそ、2人が一緒に行けるただ一筋の道であることを女王に告げる。
自分はいかなる時も命に代えてお仕えする、と。

女王は、最大の政敵であった宮主から多くのことを学んでいた。
宮主は敵ながらあっぱれな程、知恵は回り、人を見抜き、闘いに強い。

ただ私欲に溺れたために負けたのであった。

トンマンの心は、民の暮らしを豊かにして奴隷にならずにすむ生き方を選ばせるというものだ。
地続きの他国は油断をしてればすぐ奪いに来る。

国の乱れは敵の思うつぼであり、民の貧しさも同じだ。
貴族たちもそれを忘れてはならない。

土地を持たせて生きがいを持って働けば税収も増え、国が豊かになる。
武器に使う上質の鉄で農具を作れば荒れ地を耕せる。

民に、誰が治めても同じだと思わせてはならない。

その考えを実際に行ったらしい。
なんだか見てるうちにこの考えは日本の聖徳太子にそっくりではないかと思った。

そう言えば、蘇我氏の子に善徳王、という名があった・・

万葉集はもともと新羅の里歌とも言われているし、日本の古代と
三韓は密接なつながりがある。

私心に溺れず大義を貫くユシンの姿は日本人の理想の武士の姿でもある。
敵対する武人の中にも忠義の武士はいるが、残念ながら人を選ぶ能力が欠けているのだ。

女王は後半生で、ささやかな女の幸せを求める。
自分に対し恋心を抑えもしない不幸な生い立ち〈ミシルの捨て子〉のビダムにかすかな恋をする。

だが仲間の計略にあったビダムは女王の心を疑い、敵対して、騒乱を招く。
女王は苦しみに耐え、制圧する。

ユシンは女王の孤独を深く察している。
寂しさも、せつなさも、である。

女王は病に倒れる。

死の間際、高台から領土を眺めながらこの国がどうなっていくか
民を守り、国を守り、三韓一統を成し遂げてほしいとユシンに頼む。

そして様々なことを話した後、「昔、2人で逃げようとしたことがありましたね、覚えていますか」
「また、逃げましょうか・・」 

女王の頬に伝う涙・・  力を失った腕。

 「お答えに困ります・・なぜ、そんなことを・・」   女王の死に気づいた、ユシンの慟哭。

これが長い苦難とたたかって乗り越えてきた二人の最後の会話である。
女王の心に深く沈んでいたユシンへの思いであった。

ユシンが百済を滅ぼし、次は高句麗に向かうところで物語は終わった。
彼は三韓一統に尽力した実在の名将である。

見事な組み立てと脚本の妙。
俳優たちの力と魅力あるキャラクター。

現代でも南出身者は政府高官になりにくいと言われる韓国にあって
この歴史ものの描き方は驚きでもあった。

見終わって、もう一度見たいと思った。

歴史長編ものは余程冷静な目をもって国を愛してなければできない。
韓国で40%以上の視聴率を獲得したという。






















04:24  |  つれづれ
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